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【 プラチナ #3776 ③】 梅田晴夫による「#3776」の開発 [万年筆]

中屋万年筆のホームページにある「プラチナ#3776」の紹介ページには、この万年筆を設計した梅田晴夫氏が紹介されています。

「#3776」の由来は、富士山の標高にちなんでいることが分かりました。設計者の気概が伝わってきます!以下、中屋万年筆のページからの引用です。

 

 プラチナ #3776(サン・ナナ・ナナ・ロク) は、『ミスター万年筆』と称された作家、故梅田晴夫氏と研究グループにより設計された理想の萬年筆です。名称は、富士山の標高を表わす数字にちなんでつけられました。まさに、美しい日本文字のための、日本を代表する万年筆の品質を語る名称です。

この万年筆は次の4つの設計思想に基づいて作られたとあります。

『理想の万年筆』とは、

設計思想1:軸は太くなければならない

設計思想2:ペン先は大きくなければならない

設計思想3:愛蔵に耐えなければならない

設計思想4:手にフィットしなければならない


 

ウィキペディア(Wikipedia)の梅田晴夫の項にも、#3776の紹介がありました。

 ウィキペディアからの引用です。

梅田が1970年代にプラチナ萬年筆株式会社と共同開発した手作り万年筆。梅田の約1000本のコレクションから、特に優れた12本の万年筆の長所を合わせて設計され、開高健など、一日30枚以上の原稿を執筆するヘビーライターとして知られた50名の作家の協力を得て、試作、試用を積み重ねて1978年12月に完成した。この万年筆はモンブランに対抗して、富士山の標高に因み、「プラチナ#3776」と命名された。軸の直径は13mm。キャップを外して軸にはめた全長は約160mm。ペン先の長さ22mm。重心点は軸の中心からやや後方の56~57%の位置。ペン先は14金、ペン芯にはエボナイトが使われ、カートリッジ・インク対応。ペン軸にはウォーターマン社のハンドレッド・イヤー・ペンをモデルにしたギャザー(襞)が入れられ、長時間使用しても熱がこもらない仕組みになっていた。プラチナ#3776はすべて手作りのため製造コストが嵩み、1990年代以降はしばらく製造中止となったが、2005年(平成17年)に生産を再開。現在はペン軸にパイプの素材としても知られるブライヤ材を使用したものや、蒔絵を施した高級品も製造販売されている。

 

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なるほど、だんだんペン開発の詳細が分かってきました。

綿密な調査とペンに対する熱意の結晶がこの「#3776」となったんですね。コンセプトがしっかりした設計だからこそ、発売から30年以上経った今も生産が続けられているのでしょう。

 

15#3776penbold_800.jpg

 #3776のペン先。「14K」は14金の意味です。

 

(2009/9/4記)