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【放射線量グラフ】福島県各地の原発事故直後の放射線量をグラフ化[福島県HPより] [福島原発事故関連]

原子力発電所事故直後の原発周辺地域の放射線量推移のグラフを作りました。

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福島県から「県民健康管理調査」の調査票が送られてきました。
  
 
これは地震直後から7月11日までの行動記録を記入することにより、各個人が受けた被曝線量の推計値をあきらかにすることが目的。
  

 

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調査票の表紙。

大震災に伴う原子力災害により、大変なご苦労や心労、不安を抱えていらっしゃると思います。そこで福島県では、放射線の影響による不安の解消や将来に渡る県民の皆様の健康管理を目的ととした「県民健康管理調査」を実施することにしました。

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調査票に入っている地震直後の記録。

これを読むと、当時の緊迫した状況がよみがえります。

 

 

 

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記入した記録表。

 

「屋内」「移動」「屋外」の3つのカテゴリーに分けて、何時にどこにいたのか記入します。

 

調査票を書いていて「いったい地震直後の空間線量値はどれぐらいだったんだろうか?」と疑問に思ったので、福島県のHPからデータをダウンロードし、グラフを作成してみました。

福島市、郡山市、白河市、会津若松市、南会津町、いわき市、南相馬市の7方部のデータが公開されているので、それぞれグラフにしてみたところ、地域によって線量の上がり方がかなり異なることが分かります。

 

そこで、期間を分割して、地震直後の放射性物質の放射線量の変化を調べてみました。

 

 

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3月11日〜3月31日の線量の推移

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全体を表示すると見づらいので、分割してみました。

 

1.地震直後 3月11日〜3月13日

 

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福島第一原発1号機の爆発の影響は南相馬市へ?

最初に福島第一原子力発電所で爆発が起こったのは、3月12日(土)15時36分、1号機の原子炉によるものでした。その前の10時17分に最初のベントが行われています。
 
この影響が放射線量に反映している地域は、南相馬市のみ。21時に20μSV/hの数値のピークが現れ、その後は急激に低下しています。

福島市やいわき市のデータ3月13日から記録されていますが、その時点での数値は0.1μSV/h以下ですので、この時点ではまだ線量の上昇はなかったと推測されます。

 

 

2.3月14日〜3月15日

  

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3月15日(火)福島県内各地で放射線量が上昇

3月12日〜3月14日までは、南相馬市のみ放射線量値が2〜3μSV/hrで高止まりし、福島、郡山、いわきといった他地区では線量が低いままでした。
 
3月14日は午前5時20分に福島第一原発3号機でベント実施、午前11時1分に福島第一原発3号機で水素爆発が起こりました。この直後は南相馬市でわずかに線量の上昇が起きていますが、他地区への影響はありません。
 
ところが日付が3月15日に変わる頃から、いわき市の線量値が急激に上昇。午前4時に23.7μSV/hrのピークを観測。その後は急激に値が低下しました。

(このとき自分はいわき市内にいましたが、地域の防災無線からは何のアナウンスもありませんでした。ただし、午前11時頃に消防団の消防車が「外出しないでください」とスピーカーで呼びかけていたのを覚えています。)
 
さらに、3月15日の午前6時1分に福島第一原発2号機で爆発音あり。(圧力抑制室破損の疑い)
6時14分には福島第一原発4号機の外壁破損を確認。その後9時38分に火災が発生。(午前11時に鎮火)

3月15日の13時に郡山と白河の線量値が同時に上昇。一方、同じ中通りにある福島市の線量は低いまま。
 
16時を過ぎると南会津町、17時には会津若松市で初めて線量が高くなっているので、放射性物質を含んだガスが西〜南西方向に流れたことがうかがえます。
 
南相馬市でも20時頃に線量値が上昇。一方、同じ浜通りのいわき市の線量は変わりません。この日の放射性物質ガスの動きはかなり複雑です。

 

3.3月16日〜3月19日

 

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3月16日(水)福島市の線量値がピークに

3月16日に日付が変わった頃、それまで線量値の低かった福島市で急激に線量値が上昇。最大で24μSV/hrを記録し、その後も値が下がらず高止まりしました。これは運悪く雨が降っていたために、放射性物質が地上に降り注いでしまったためと思われます。

この日はいわき市でも午前2〜4時と午前11時の2回、線量の上昇が観測されました。一方、福島市といわき市以外の地域では極端な線量の増加がありません。


福島市の天気(3月16日)

午前0時〜3時にかけて、1〜2mmの降水が記録されています。前日17時から小雨が降り続いていたので、雨が降っているところに放射性物質を含むガスがやってきたことになります。
   
この日の原発の動きについては、3月16日(水)午前8時30分に福島第一原発3号機で白煙が発生しています。

 

4.3月20日〜3月22日

  

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5.3月23日〜3月31日

  

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3月16日以降については、3月18日18時、3月19日11時、3月20日の17時に南相馬市で線量のピークが、3月21日の11時にいわき市でも線量のピークがみられます。


3月24日の10〜18時に南相馬市で若干の線量の増加が見られますが、その他の地域では極端な線量増加のピークはありません。



ここでは福島県から送付されてくる「県民健康管理調査」記入の参考とするために、福島県各地の放射線量のグラフを紹介しました。
 
放射性物質の拡散状況についてより詳細に知りたい方のために、下記サイトを紹介しておきます。



 ・ 福島第一原発事故タイムライン(ドキュメンタリー)

 青森市 盛岡市 仙台市 秋田市 山形市 会津若松市 南会津町 前橋市 茅ヶ崎市 仙台市 福島市 南相馬市 郡山市 白河市 いわき市 北茨城市 宇都宮市 さいたま市 水戸市 新宿区 市原市


  

 

 <関連サイト>

 

 ・ 各地の放射線量(放射性物質の濃度)【グラフ】(NHKニュース)

 ・ 県民健康管理調査について(福島県HP)

 ・ 福島県県民健康管理調査「基本調査(外部被ばく線量の推計)、甲状腺検査」
の概要について(福島県HP)

 内部被曝 県民健康管理調査 福島県 セシウム ヨウ素 データ 調査 計画的避難区域 放射性ヨウ素 小児甲状腺がん 触知 福島市 伊達市 飯舘村 飯館村 葛尾村 浪江町 富岡町 大熊町 広野町 楢葉町 二本松市 郡山市 白河市 会津若松市福島県 避難地域 3km圏内 2011年3月11日夜 即時避難指示(一時帰宅禁止)8月26日に一時帰宅許可
20km圏内 警戒区域 3月12日 20km圏内を避難指示区域に指定。即時退避。4月22日に警戒区域に指定。7万8000人が避難。
30km圏内 屋内退避区域 3月15日「放射能が人体に影響をおよぼす可能性がある」ことから、20〜30km圏内は建物から外へ出ないように指示(4月22日解除) 緊急時避難準備区域 4月22日 屋内退避区域で計画的避難区域に該当していない地域を緊急時に屋内退避が必要な地域として指定(いわき市は除外)9月30日解除
計画的避難区域 4月22日 放射線量が年間20ミリシーベルトに達する恐れがあり、いますぐではないが、5月末をめどに準備をして避難する地域として指定。飯舘村、浪江町津島、川俣町山木屋、葛尾村。