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【インク詰まり解消法】『万年筆クリーナー』(プラチナ)を試す [万年筆]

 机の引き出しに眠っていた古い万年筆はインクが乾燥してしまい、うまくインクが出ないことが多いもの。「万年筆クリーナー」を使って復活させる方法を紹介。水やお湯に浸して放置すると復活する場合もあります。 

02pen_cleaner_platinum_ICL1.jpg

放置してインクが乾燥した万年筆で書くと、字がかすれるようになってしまいました。

プラチナから発売されている「万年筆クリーナー」を使ってメンテナンスしたところ、無事にインクがぬらぬら出るようになりました。

ここで使われている洗浄液は、もともと顔料インクの洗浄を目的としたものですが、染料インクの洗浄も可能と表記されています。 

なお、インクの種類によっては、固着したインクカスが溶解しないものがあったので、このケースについても後半で詳しくご紹介しました。

 


 

1.乾燥したペン先を復活させる(プラチナ#3776)

 

ペリカンのレッドを入れていた プラチナ#3776ギャザード のペン先が乾燥して干上がってしまいました[もうやだ~(悲しい顔)] 

 

07perikan_red_dryupped.jpg

インクが朱肉のように盛り上がっています・・・[ふらふら]

 

 

 

そこで、プラチナの「万年筆クリーナー」を使って、ペン先をクリーニング[手(グー)]。 

 

01fountainpen_ink_cleaner_s.jpg

03contents_ICL1200_platinum.jpg

プラチナの「万年筆クリーナー」 

 

 

06pigment_blue_ink_platinum.jpg

この洗浄液は、プラチナから2009年4月に発売された顔料ブルーのインクを使ったユーザーのメンテナンスを想定して、2010年8月に発売されたという経緯があります。

ちなみに自分はこの「顔料ブルー」のヘビーユーザー[わーい(嬉しい顔)]。 

 

 

 

04cleaner_and_spoit.jpg 

  薬液(5袋)とスポイトが入っています。

 

 

08spoit_hole.jpg 

スポイトの先端。コンバータと同じサイズ。

 

 

 

10cartrige_and_spoit.jpg

プラチナのコンバータとスポイトの比較。

プラチナ万年筆インククリーナーセット 染料インク・顔料インク共用 洗浄スポイトはプラチナ万年筆製品専用  【洗浄の手順】1.洗浄スポイトをクリーニングするペン先首軸に取り付け、水の入ったコップの中で、吸い込ませたり吐き出したりして洗って下さい。2.コップにきれいな水またはぬるま湯、100ml(180ml入りコップの半分位)を用意します。3.万年筆洗浄液1パック(10ml)を水に溶かし、10倍にうすめた洗浄液を作ります。4.ペン先首軸を洗浄液の中に一昼夜浸け置きし、汚れを除去します。5.洗浄スポイトをペン先首軸に取り付け、再度コップにきれいな水を入れ、吸い込ませたり吐き出したりして10回程度洗って下さい。6.ペン先首軸の洗浄液を流水で洗い流し、布で水分をふき取って下さい。(タオル以外の、汚れてもよい柔らかい布)

05description_inkcleaner.jpg 

洗浄の手順。

まず水をスポイトで吸引→排出させてインクを洗浄。

その後、希釈した洗浄液中に一晩浸します。 

 

 注意:顔料インクご使用の場合、インクカートリッジを入れたままキャップを外して最長1週間程度であれば、この洗浄液で固まったインクが溶けますが、カートリッジを抜いた状態で放置した場合はインクが溶けない場合がございます。◆インクの色を変える時は、上記お手入れの手順の要領でペン先首軸を洗浄してからお使いください。

09pen_and_spoit.jpg

スポイトを差した万年筆。

 

 

【動画】プラチナ・万年筆クリーナーで洗浄中の万年筆 

 

 

 

 

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万年筆クリーナーに入っている洗浄液を水で希釈。 

 

 

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洗浄液のpH測定。pH10〜11の強アルカリ性。

 

万年筆の詰まり解消に関するサイトを検索していると、「アスコルビン酸(ビタミンC)」で洗浄するというノウハウが紹介されていました。この場合、弱酸性の液体で洗浄することになります。

(参考:古典ブルーブラックインクの万年筆へのこびりつきを化学的に落とす。) 

万年筆クリーナーの洗浄液では特に成分は記載されていませんが、pH試験紙で確認したところ、強アルカリ性でした。触ると指先がすこしツルツルした感じになります。 

 

 

14ink_flow_test_perikan_red.jpg 

メンテナンス後に試し書き。

インクがスルスル流れて、すばらしい書き味に復活[手(グー)][手(グー)][手(グー)]

 

 


 

2.洗浄液に溶解しないインク(エルバン・ヴィオレパンセ)

 

 エルバンのヴィオレパンセは上品な紫色が美しいインク。

以前、このインクをとても気に入っていて、ラミーのアルスターに入れて使っていました。

 

その後、プラチナの顔料ブルーを中心に使うようになり、エルバンのヴィオレパンセのインクの入ったアルスターをしばらく使わずに放置していたところ、ドライアップしてしまいました。

今回購入した「万年筆クリーナー」を使い、洗浄液に一昼夜浸したものの、インクのカスが取れない印象。インクフローも良くありません。

 

そこで、ペン先首軸を分解して原因を調査してみました。

 

比較として、プラチナの「顔料ブルー」を常に入れているアルスターも洗浄してみました。

 

15lamy_alstar_fountainpen.jpg 

クリーナー液で洗浄中。軽く発泡します。

 

 

  17lamy_alstar_F_nib.jpg 

洗浄後のペン先。 

左のペン先が青焼けしています。右はヴィオレパンセを入れているペン。

左のペンは、「ラミー・ブルー」→[プラチナ・顔料ブルー」を使っていました。

 

ラミー・ブルーはPHが1.5と酸性度が高く、一方プラチナ・顔料ブルーはpH試験紙で測定すると中性の液だったので、おそらくラミー・ブルーを使っていた時にペン先が酸化したのだと思います。

(参考:新旧万年筆インク114種類の粘度とpHの分布図」趣味の文具箱 vol.11 P.104 ) 

 

 

16pen_head_comparison.jpg

左がヴィオレパンセの入っていたアルスター。

ペン軸根元に汚いカスが残っています。

一方、プラチナ・顔料ブルーを使っている方のペン軸はきれいになっています。 

 

 

万年筆クリーナーでは汚れが落ちないので、インターネットに掲載されていたラミーのサファリ/アルスターの分解方法を紹介したページを参考にして、ペン先首軸を解体してみました。 

(参考:LAMY SAFARI 完全分解 その2 ~ペン先編~

 

53pen_front_taped.jpg

ペン先はセロハンテープを貼って引き抜きます。入れる時は、指で押しこめばOK。 

 

 

40tape_pencore.jpg 

ペン軸からペン芯が抜けません。セロテープだと粘着力が負けてはがれてしまいます。

そこで、粘着力の強いガムテープでやってみると・・・

 

 

41pen_core_pulling.jpg 

「エィッ!」と気合一発で、スポッと抜けました[わーい(嬉しい顔)]

 


 

 

◎ ペン先を解体して手洗いすると・・・ 

万年筆クリーナーで洗浄してもインクフローが悪いので、ペン先をばらしてみました。

 
 
 
 19dust_fountainpen_cleaning.jpg

 

 ペン軸周辺から出てきたカスを洗浄液に浸しておきましたが、溶解しません。

高分子化しているのかも。。。 

 

 

 

ペン芯がかなり汚れていました。

 

18helbin_cleaning_before_af.jpg
 
手で洗浄する前後のラミー・アルスターのペン先とペン軸
(クリックすると拡大します)
  

 

「洗浄前」となっているのは、一度万年筆クリーナーで洗った後の状態。

 残念ながら、洗浄効果がなかったことが分かります。

 

「洗浄後」とあるのは、ペン先首軸を解体後に古歯ブラシでゴシゴシ洗ったものです。

ヴィオレパンセのインク乾燥後のカスは、牛乳を電子レンジで加熱した時に液面にうっすらできる皮膜のような感触なので、軽くこすっただけでポロポロ取れます。

 

 

42lamy_fountainpen_cleaning.jpg

ペン芯のカバーを外したところ、インク溝と空気溝が詰まっていました。 

(クリックすると拡大します)

 

 

 

 43menbo_cleaning.jpg

まず、綿棒で表面に付着した汚れをはがします。

 

 

45pen_rod_slit_cleaning.jpg

インク溝はラッピングフィルムで削ります。

刃物やカッターで削って穴を広げたり、空気溝との境界面を傷つけてしまうと、毛細管現象によるインクの流れが悪くなるため、要注意!

 

 

46rod_slit_cleaning2.jpg

インク溝は深いので、慎重に削ります。何か出てきたゾ・・・[あせあせ(飛び散る汗)]

 

 

47rod_slit_lamy_alstar_cles.jpg 

汚いカスがゴッソリと![がく~(落胆した顔)]

 

 

 

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こんなに詰まっていました[ふらふら]

 

 

 

 

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きれいになりました![手(グー)]
【ペン芯のインク溝と空気溝の手入れ上の注意】インクは毛細管現象で移動していくことから、インク溝や空気溝を安易に刃物やカッターで広げたり、空気溝とインク溝の境界線を傷つけたりしないようにする。インク溝は幅と比較してかなり深く刻まれている。◆ペン芯とペン先の密着具合(添い)が悪いと、インク溝が毛細管にならず、インクが先端まで届かない。ペン先とペン芯は紙一枚が入らないほど密着していることが必要。強い筆圧で書き続けたり、不用意に分解したときなどにも添いが悪くなることがある。 
 
44pen_slit_cleaning.jpg 
 
同じく毛細管現象でインクが流れているペン先の切り割り。
スリットの汚れもラッピングペーパーで落とします。
 
ラッピングフィルムのはさみ方は、 趣味の文具箱 Vol.11 P.93に出ています。
 
 
 
  
 
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ペン芯を差し込み、ペン先を元に戻します。
 
 
  
  
 
 
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ペン先を奥まで差し込まないと、インクフロー不良の原因になります。
 
 
 
  
 
 
 
 
56writing_test.jpg 
 
メンテナンスを終えて、筆記テスト。
 
 
 
これまでは、書き始めるとすぐにインクがかすれる状態でしたが、手入れ後はまったくインク切れが起こりません! 感動しました[晴れ][晴れ][晴れ]
 

 

 

 

 


 

 万年筆の日々のお手入れ・インク詰まり解消を紹介しているサイトをまとめました。

<関連サイト>

 ・ 簡単にできる万年筆のメンテナンス・手入れ(All About) 

 ・ 万年筆の基本的なお手入れの仕方/ポイント(ナガサワ文具センター)

 ・ 万年筆のお手入れ(Lamy)

 ・ インクの補充とお手入れ方法を知ろう(セーラー万年筆)

 ・ 万年筆お手入れ方法と、長く使い続ける為のコツ!(”文具”いち衛門)

 ・ プラチナ顔料ブルーの紹介と注意点(スミ利文具店) 

万年筆を長持ちさせるコツ:①とにかく毎日使う。②人に貸さない(ペン先の変形防止)③持ち運びに注意する④キャップをまめに閉める(インクの乾きを抑える)  

 


  

 

<参考文献>

 

趣味の文具箱8 (エイムック 1421)

趣味の文具箱8 (エイムック 1421)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: エイ出版社
  • 発売日: 2007/09/19
  • メディア: ムック

 

特集記事「ペンの達人になるための 万年筆の作法と流儀」に万年筆のメンテナンス方法が詳しく解説されています。とても参考になりました。

 

趣味の文具箱11 (エイムック 1579)

趣味の文具箱11 (エイムック 1579)

  • 作者: 趣味の文具箱編集部
  • 出版社/メーカー: エイ出版社
  • 発売日: 2008/07/28
  • メディア: ムック

 

もっと知りたい!ペン先のこと 万年筆のペン先の基本とプロの調整技」の記事に、ペン先のメンテナンス方法が紹介されています。 

 

 


 

 

<Amazon>

◎ プラチナの万年筆クリーナー 

・プラチナ万年筆用スポイト入りタイプ  

万年筆インククリーナーセット ICL-1200

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  • 出版社/メーカー: プラチナ萬年筆
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 →モンブラン、ペリカンといった海外メーカーの万年筆に対応するスポイト付き。 

 

 

・ロットリングの製図ペンクリーナー 

ロットリング製図ペンクリーナー 洗浄液 100ml (585 280)

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  • 出版社/メーカー: ロットリング
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◎ラッピングフィルム(3M)

・削り出しに使っている、やや粗めの#4000番。 

ラッピングフィルム #4000 (O-7C)

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  • 出版社/メーカー: 3M(スリーエム)
  • メディア: おもちゃ&ホビー

 

・仕上げには目の細かい#10000番。切り割りの汚れを落とす際に使っています。 

ラッピングフィルム #10000 (O-7E)

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  • 出版社/メーカー: 3M(スリーエム)
  • メディア: おもちゃ&ホビー

 

 

 

< 楽 天 >

・エルバンのペンクリーニング液

 

 


  

 

<当ブログ内 関連サイト> 

 

 ・ 【レビュー】セーラー『青墨』とプラチナ『顔料ブルー』の色調を比較 

 ・ 【レビュー】プラチナ万年筆 顔料ブルーインクを追加購入(約1年3ヶ月で一瓶が空に・・・) 

 ・ 【実例:万年筆】手軽にペン先を交換&調整:ラミー「サファリ」「アルスター」

 ・ 【 レビュー】 キズだらけの万年筆  Plutinum #3776 スタンダード 

 

 

 


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