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【感度比較】放射線量計:Inspector AlertとRadi AP-1000の放射線量測定 [福島原発事故関連]

 アメリカ製の高性能放射性物質測定器「インスペクター アラート」と環境放射線モニター「Radi」の測定比較。Inspector Alert / Inspector+

10radi_inspector_alert.jpg
 
某所で米国製の高性能ガイガーカウンター「Inspector Alert」を借りることができました。そこで、国産のポケット型環境放射能測定器「PA-1000 Radi(ラディ)」と放射線量計測の様子を比較してみることに。
Inspector+ 使用法 説明書 日本語 サイト ダウンロード PDF
  
 
 
11radi_inspector_back.jpg
 
後ろ部分。
 
Inspectorは金網部分の向こうパンケーキ型のGM管センサーがあります。
ラディは前面にターゲットの表記の+マークがあります。
 
 
 
 
12GMtube_gaiger.jpg
 
Inspectorのパンケーキ型GM管(ガイガーミューラー管)
  
α線、β線、γ線、X線を測定可能。
Inspectorは一般的に自治体から公表されている放射線量の数値に該当するγ線だけでなく、α線、β線、X線も感知します。
 
文部科学省や自治体から公表されているγ線値のみを測るには、指定の金属プレート「ワイプテストプレート」を センサー部分に当てる必要があります。
 
  
  
  
 
テスト1.車内での測定
 
それほど線量の高くない車内に放置して、線量値の変化を観察。
  
Radiは比較的安定した数値を示すのに対して、Inspectorは時間毎に大きな波があります。
  
  
 
【比較動画】RadiとInspectorの線量測定(車の車内)
 
 甲高い「ピッピッ」音はRadi,「カチ、カチ」音はInspector。
 音の頻度はRadiの方が高いので、Radiの方が感度が高いのかも・・・。
  
 数値の変化も2台でまったく違います。
 Inspector Alertは値の上下動幅が大きいことが分かります。
  
 
 
 
  
  
テスト2.線量値のやや高いコンクリート面
  
雨樋の排出口付近は線量が高め。ここにRadiとInspector Alertを置いて測定値の時間変化を観察。
 
RadiとInspectorで値に大きな差が。
(Radi:0.25μSV/h、Inspector:1μSV/h)
  
Inspectorで地面に近づけて測定する場合は、この点に注意する必要があります。
  
 
 

 

 

 

◎ まとめ

 

・Radi PA-1000

Radiは環境放射線測定器なので、ガンマ線測定に特化した設計と仕様であり、環境放射能を測定する目的で使うのであれば良いと思います。

堀場製作所からは、食品の放射性物質を測定するための簡易キットが発売されているので、そのような用途にも使用可能です。

防水仕様であり、センサーが完全に覆われているので取り扱いが楽で、子どもでも安心して使えます。PA-1000 Radi(ラディ) ポケット型環境放射能測定器 CSI(TI)固体シンチレータ 単三電池2本で連続50時間 生活防水仕様 測定:60秒の積算値(移動平均)を10秒ごとに表示

・ Inspector Alert

Inspector Alertは、マイカ(雲母)窓のパンケーキ型GM管(ガイガーミューラー検出管)を採用していて、α線、β線、γ線、X線の測定が可能。

公表γ線値のみを測定したい場合は、専用の「ワイプテストプレート」を検出窓に当てる必要があります。センサーは金網の向こうにむき出しになっていることから、取り扱いには注意が必要。センサーは湿度の影響を受けるので、濡らしたり放射性物質を付着させたりしないように気をつけなくてはなりません。

測定の表示値の更新が早いので、物体の表面放射線量をおおまかに測定する目的に向いています。さっとセンサーをかざして放射性物質による表面汚染をモニターするのに便利です。

 

 


 

 

<関連サイト>

 

 ・ 環境放射線モニタ PA-1000 Radi(ラディ)(堀場製作所)

 ・ 通信機能付 環境放射線モニタ PA-1100 Radi(堀場製作所)

Bluetooth通信機能を搭載。携帯端末のGPSデータ(位置と時間)と放射線量を記録することが可能。PA-1000に比べ2倍の測定範囲を実現(0.001〜19.99μSv/h)

 ・ 食品・土壌 放射能簡易測定キット PA-K(堀場製作所)

 

 ・ Inspecter Alert(英語)

 

 

 ・ 【レビュー】エアカウンターS(エステー)の放射線量感度チェック

 


 

 

<Amazon>

・ Inspector Alert

 

 

 

ガイガーカウンター 米国S.E社製 INSPECTOR+ (インスペクタープラス)

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  • 出版社/メーカー: S.E. International, U.S.A.
  • メディア:

  

 

・Radi PA-1000 

堀場 環境放射線モニター(シンチレーション式) PA1000

堀場 環境放射線モニター(シンチレーション式) PA1000

  • 出版社/メーカー: 堀場製作所
  • メディア: ホーム&キッチン

 

 

 Radiと組み合わせることで、食品中に含まれる放射性物質の測定が可能です。

放射線量計 air counter air counter S counter_S (エステー) ポケットガイガーKIT PDM-122 マイ・ドーズ・ミニ(日立アロカメディカル)(セーラー万年筆)Geiger counter(ガイガーカウンター) RD1503 ロシア製 SOEKS-01M  RADEX RD1706 RD1503 ECOTEST TERRA-P+ REN200+  DoseRAE2  EZ-RAY-018 Thermo RADEYE PRD RADEYE PRD INTERNATIONAL MEDCOM社製ガイガーカウンター INSPECTOR ALERT INSPECTOR+ (インスペクタープラス) 


【レポート】エアカウンターS(エステー)の放射線量感度チェック[レビュー] [福島原発事故関連]

エアーカウンター エステーから実売価格6000円台の空間線量測定器「エアカウンターS」発売!

13et_aircounters_top.jpg

エアカウンターSの大きさは太いマジックぐらい。気軽に持ち運び出来るサイズ。

 我が家は福島県の浜通り(太平洋沿い)にあり、福島第一原発から40km離れています。

  
昨年夏の時点で、自宅周辺の線量は0.3μSV/h前後。除染作業により、今は0.15μSV/h程度まで下がりました。
 

 

東日本大震災に伴う福島第1原発の放射能漏れ事故直後、政府・自治体や報道機関が放射線量についてすみやかに情報を流してくれなかったために、無用な放射線被曝をこうむったことにうんざりしたので、再び放射性物質が放出されるような事態が起きた時に備えて、自宅にも線量計が欲しいと思っていました。
  
ところが原発事故直後は10万円ぐらいの高いモデルしかなく、それすら売り切れていたので購入を諦めていました。

  
 
2011年10月20日にエステーから1万円台(希望小売価格15,750円)の空間線量計「エアカウンター」が発売されたので、値段が落ち着いたら買おう・・・と思っていたところ、従来品よりも価格が安く(定価7900円)、かつ測定感度が向上し、さらにペンタイプで持ち運びしやすい新モデル「エアカウンターS」を2012年2月上旬に発売するとニュースリリースが。

ネット上では発売前から予約を受け付けていたので、Amazonで1月中旬に注文。
初代の「たまごっち型」タイプと比べ測定終了までの時間が短くなり、さらに測定値が確定した後も測定続けるように改良されました。さらに初代と比べて持ちやすく、液晶表示が太字で見やすくなっています。  
昨年秋に発売されたエアカウンターは、品不足で価格が高騰し、ネット通販では定価を上回る価格で取引されていたようですが、「エアカウンターS」は発売前の予約の時点ですでに定価より1000円以上安い6300円台の割引価格が提示されていてビックリ! エアーカウンターS エアー・カウンターS エア・カウンターS

 
福島県南相馬市原町区に住む両親からも1台欲しいとリクエストがあったので、納期が遅くなるリスクを考えて異なるお店に1個ずつ注文しておいたところ、どちらの店からも発売直後の2月8日に発送したと連絡があり、2月9日に我が家に到着。
 

01aircounter_S_body.jpg
  
   

 エアカウンターのパッケージ。パッケージデザインは、MR_DESIGN代表のアートディレクター・佐野研二郎氏が担   
我が家で「エアカウンターS」を購入した目的は、以下の2つ。


   
1.自宅周辺の線量値とホットスポットの場所を調べたい。


   
2.放射能漏れ事故で自宅周辺の空間線量が急上昇した際に、アラームで察知したい。
(→子どもたちに安定ヨウ素剤を服用させるタイミングを知りたい。)

   
注記:残念ながら、「エアカウンターS」では食品や水に含まれる放射性物質の濃度を測定することはできません。(説明書にも記載されています。)
 

 

17Potassium_Iodide.jpg
  
子どもや妊婦の甲状腺被曝を防ぐための安定ヨウ素剤
(原発事故後の3月18日に配布されたもの)
   
安定ヨウ素剤の写真 ヨウ化カリウム丸日本では、安定ヨウ素剤予防服用に係る防護対策の「指標」として、性別・年齢に関係なく全ての対象者に対し一律に、放射性ヨウ素による小児甲状腺等価線量の予測線量100 mSVが定められている。

  
  
◎ エアカウンターSの箱を開封 
エアカウンターの測定対象 ご自宅 洗濯干場 砂場 庭 公園 運動場
 
さっそく箱を開けてみました!
  
  

11contents_aircounter.jpg
 
パッケージの中身。
線量計、電池、取扱説明書、パンフレット
【正しく覚えよう 放射線の基礎知識】
首都大学東京 大学院 福士政広教授監修

家庭用放射線測定器【エアカウンターS】の特徴 ・使いやすい:片手で使えるスティックタイプ ・見やすい:シンプル液晶で数値がわかりやすい ・分かりやすい:放射線を検知すると音が鳴ります 総合企画・開発プロデュース 株式会社タカラトミーアーツ

05eneloop_aircounter.jpg
 
単三電池として充電池「エネループ」もOK。(箱に表記あり)
  
首からストラップをつけて吊り下げることもできます。
  
 
04strap_aircouner.jpg
  
ストラップがつけられます。
  
  
  
  
  


◎ 「エアカウンターS」と堀場製作所「Radi AP-1000」の測定精度を比較


   
エアカウンターSは価格が従来発売されていた線量計と比較してかなり安価。

「測定精度は大丈夫なのかしら・・・?」と思ったので、空間線量測定器として実績のある堀場製作所製「Radi PA-1000」を借りて測定数値を比較してみました。

Radiは定価15万円(実売10万円程度)なので、エアカウンターSの10倍以上の価格です。

 

 06serial_no_aircounter.jpg

エアカウンターSの製造ロット番号

 

今回は2本のエアカウンターを別々の店で注文したので、製造ロット番号はかなり違うものでした。

エアカウンターSの使用方法 1.まず地表から1m離して水平に構えます。2.本体横のスライドスイッチをONにします。3.数字のカウントダウンを開始。35秒後から予測数値が表示されます。4.ランプ点滅中は、予測測定中。ランプが消灯すると、確定値が表示されます。SOUNDボタンを押すとガンマ線を検知した際に「ピッ」と音が鳴ります。音はかなり控えめ。
 
03how_to_use.jpg
 
エアカウンターSの使用方法。
 1.地表から1m離して水平に構えます。 2.本体横のスイッチをONにしてください。 3.数字がカウントダウンし、35秒後から予測数値が表示されます。(赤いランプが点滅する) 4.ランプ点滅中は予測測定中です。消灯すると確定値が表示されます。 エアカウンターSによる放射線の空間線量測定方法

 エアカウンターSもRadiもリセットしてから35秒経過すると予測数値の表示が始まる設定。約2分後に表示された数字はいずれも 0.18〜0.19μSV/h とに大きな違いはなく、測定精度は十分なようです。

(下の動画をご覧ください。)技術情報 エアカウンターSのγ線検出原理 エアカウンターSの放射線検出部はシリコン半導体(フォトダイオード(PD))を使用。原理①シリコン半導体に入射した放射線とシリコン原子の相互作用で電子正孔対が発生。②電子正孔対は電圧を印加することでパルスとして検出される。③パルスとしてガンマ線を検出し、時間あたりの個数を算出。④単位時間あたりの検出個数に137Cs(セシウム)を基準とした係数を乗じて、1cm線量等量率(μSV/h)を表示。

 
いわき市内では、当初アルファ通信が受託したモニタリングポストが設置されていました。ところがこのモニタリングポストには問題があったようで、最近ではNEC製と富士電機製のモニタリングポストが設置されています。これらのモニタリングポストは京セラ製の太陽電池パネルとセットになっていて、赤いLEDライトで常に数値が表示されています。アルファ通信のモニタリングポストは小さな液晶表示で明かりを当てないと数字が分からないものだったので、新しい装置は遠くからでもよく見えて便利です。アルファ通信製のモニタリングポストも順次更新されているようです。文部科学省

 

 

◎ モニタリングポストとエアカウンターSの数値比較

 

15monitoringpost_fukushima.jpg
 
2012年2月上旬に設置されたモニタリングポスト
 
この数値とも比較してみました。
  
  
  
  
16monitoringpost_value.jpg
 
同程度の数字が出ました。
(エアカウンターS:0.30μSV/h、モニタリングポスト:0.293μSV/h)
  
 
    
後ほど、この富士電機製のモニタリングポストを整備している所を見かけたので、福島県内でどれぐらい設置されているのか聞いたところ、約2700台!ということでした。 
  
モニタリングポストの中に入っている検出器を見せていただいたところ、筆箱ぐらいの大きさの四角くて黄色いパッケージの線量計が固定されています。検知方式は「半導体式」とおっしゃっていたので、センサーの方式は今回比較で使ったエアカウンターSと同じです。
 
なかは少し電子回路が入っている以外は何もなくてガランとしていました。小学校では地上から50cm,中学校では地上から1mなど、場所に応じて線量計の設置高さを変えているそうです。  
  
  
 
  
◎ ホットスポットの検知テスト
  

もうひとつ確認したかったのは、放射線量の高い「ホットスポット」の測定が可能かどうか、という点。

自宅近くにある線量の高い場所に線量計をかざして測定してみました。

 

14housyasen_hotspot.jpg
 
高めの数値が出ました。
東京電力 原発事故 被災地域 計画的避難区域 20km圏内 立入禁止 避難指示解除準備区域 居住制限区域 帰還困難区域 基準 年間20mSV以下 時間あたり2.28μSV/h以上だと、年間20mSV/hの積算線量を超えてしまいます。福島県 いわき市 川内村 楢葉町 広野町 富岡町 大熊町 双葉町 浪江町 葛尾村 飯館村 川俣町 伊達市 福島市 二本松市 南相馬市 小高区 原町区 鹿島区 警戒地域でエアカウンターSを使って空間線量を測定
  
01oohara_aircountors.jpg
 
福島県内のある場所での測定結果。
  
 
車内での数値が1μSV/hを超えたので、車を止めて道路沿いの地面を測定してみたところ、4.4μSV/hの数値が・・・[ふらふら]
 
(ただし、地面に置いて測定した数値は空間線量よりも高い数字がでますので、この数字は空間線量よりも高くなっていることにご注意願います。)
  
  
   
 
 
<2012年4月30日追記>
 
 
福島県内の原発周辺地域にて。
 
 
02keikai_area550.jpg
   
 
 
 
動画はこちら。
↓ 
・・・
 
  
   
測定値が 9.99μSV/h を超えると、測定限界以上ですので、表示が点滅することが分かりました。

福島県内の避難区域の見直し(2012年4月)◆警戒区域(浪江町、双葉町、大熊町、富岡町の福島第一原発から20km以内の地域)と計画的避難区域(飯舘村、川俣町の一部、葛尾村)は見直し未実施。 ◆南相馬市(小高区)と田村市、川内村の一部は見直し実施。年間被曝量50mSV以上の地域は帰還困難区域、20〜50mSVは居住制限区域、20mSV以下は避難指示解除準備区域

室内やホットスポットなどを測定してみた印象から、測定数値の精度には問題ないと考えられます。

 

本来は空間線量計ですので、地面から1mの高さを測定するのが正しい使い方ですが、数値的な意味を無視して単にホットスポットの有無を調べたいのであれば、対象物の近くで測定したほうが大きな値が出るので、線量の高い部分がさらにはっきりします。

 

 →参考例:エアカウンターSを使った庭のホットスポットの除染

被曝線量値の年間換算 0.5mSV/年=0.06μSV/h 1mSV/年=0.11μSV/h 2mSV/年=0.23μSV/h 5mSV/年=0.57μSV/h 10mSV/年=1.14μSV/h 20mSV/年=2.28μSV/h 国の基準では、年間1mSV/年以下を目指して除染を実施する。

 

◎ エアカウンターSで放射性物質漏れ事故を察知できるか?

  

エアカウンターSがあれば、東日本大震災直後に我が家の周辺に流れてきたような放射性物質を含む風の有無を間違いなく検知できると考えています。

 

この点を確認するため、福島第一原発事故直後の福島県内各地の線量値を調べてみました。

福島県のHPには東日本大震災以来測定した各地の放射線量の数値が掲載されています。この数字をグラフにしてみると、放射線量が短時間のうちに急上昇することが分かります。

 

ところが、地元自治体からは空間線量の上昇に関するアナウンスは全くありませんでした。[もうやだ~(悲しい顔)] 

その頃は、がれきの片付けをしたり、断水のために給水車の前に並んでいたり、スーパーの開店待ちをしていたり、ガソリンスタンド待ちの列の車内にいたり・・・と屋外にいる人が多かったのですが。。。

 

 

   
例えば、福島県浜通りのいわき市と南相馬市の放射線漏れ事故直後の数値変動はこんな感じです。

 

01webradioactive.jpg
 
地震直後の南相馬市・いわき市の空間線量推移
福島県HPのデータをグラフ化)
 
<クリックすると拡大します>
  
  
 


南相馬市では、震災翌日の3月12日の午後6時〜8時の間に最大20μSV/hまで急激に放射線量が増加しています。

これだけ大きな放射線量の数値上昇があれば、放射線の誤差が多少あっても「エアカウンターS」ですぐに感知することができるはず。(検証実験はできませんが・・・[あせあせ(飛び散る汗)]

 

エアカウンターSの測定範囲は「0.05μSv/h~9.99μSv/h」ですので、上のグラフで線量の高い時間帯では測定限界以上の数値になってしまいます。

  

参考までに、3月11日〜3月31日までの福島県内各地の放射線量推移は以下のとおりです。

 

0311_0331radioactive_fukush.jpg

 

地震直後の福島県各地域の空間線量推移
福島県HPのデータをグラフ化)
 
<クリックすると拡大します>
  
    
   

 


  

◎ エアカウンターSは国産品(福島県で製造!)
  
エステーのHPにあるエアカウンターSの仕様をみると、製造は「月電工業株式会社」と書かれています。この会社は福島県福島市に本社があり、福島県北部中通り地方に工場を持つ電子機器基板及び電子機器製品組立会社でした。

 

12production_japan.jpg
 
製造国:日本、生産場所:月電工業株式会社(福島県)と箱にも表示。
 
  
 

地震や風評被害の影響で仕事の減っている福島県民にとって、ありがたい限りです![わーい(嬉しい顔)]

 
わたしは福島県在住ですので、福島産のエアカウンターSを購入したということは、まさに「地産地消」ということになりますね。 

 

純国産の機器の生産ラインを急いで立ち上げて、さらに人件費の高い日本で生産しているにもかかわらず、6000円を切るの価格で提供しているということは、エステーさんは製造原価にちょっと利益を乗せたぐらいの状況ではないでしょうか。

エステーの鈴木喬社長をはじめ、エステーの社員に感謝したいです。     
発売前に予約した時点で最安相場は 6300円台 でしたが、発売から一週間の時点で最安値は 6000円 を切ってしまいました。。。

喬社長の気概に感謝したいと思います。 


 月電工業株式会社 福島工場 福島県福島市方木田字吉ノ内55-1 月舘工場 福島県伊達市月舘町御代田字月崎1-1 船引工場 福島県田村市船引町今泉字台ノ前126-2 さくら工場 福島県福島市さくら2丁目1-2

<関連サイト>

 

・エアカウンター関連

 ・ エアカウンターS 商品紹介(エステー) 

 ・ 「エアカウンター」シリーズの発売にあたり(エステー)

 ・ 月電工業株式会社(エアカウンターS製造元)

 ・ タカラトミーアーツ(エアカウンターS開発元) 

 ・ 株式会社エックスレイプレシジョン(技術提供元) 

 →エアカウンターSの技術提供元の会社。当ブログで比較とした堀場製作所製のRadiがこの会社の商品紹介にあるので、Radiにもこの会社の技術が使われているのかもしれません。 エアカウンターSとRadiはどちらも35秒間待機してから数値が表示されます。 

 ・ 7,900円の低価格を実現したスティック形状の新製品
   入手しやすい放射線測定器 エステー「エアカウンターS」レビュー (価格.com)

 

 

 

◎エアカウンターの開発物語 

 ・ 日経エレクトロニクス 2012年3月5日号

  「個人向け放射線量計『エアカウンター』の開発(第一回)」が連載されています。 地震発生直後の2011年3月にエステー社長兼会長の鈴木喬氏がトップダウンで決断して発売に向けて開発を始めた様子が紹介されています。

 記事中の写真にある最初の企画書の日付が「2011年4月18日」であることから、地震後一ヶ月経過時点で、すでに具体的な計画がかたまっていたことがうかがえます。

 

「確かに、放射線量計を出すことは会社としてリスクもあるし、コストがどれぐらい掛かるかも分からない。数も売れないかもしれない。でも、少しでも世の中のためにはなるだろう?」(鈴木社長) (日経エレクトロニクス 2012年3月5日号 P.81)

 

第三回目の記事(2012年4月2日号)では、「エアカウンターS」がもともとはタカラトミーアーツで開発されていた商品であること、エステーの鈴木喬社長とタカラトミーアーツの佐藤慶太社長との話し合いの結果、開発元がタカラトミーアーツ、総販売元がエステーになることが決まったことが明かされています。

この決断に至った理由は、ふたりとも「消費者の放射線への不安を解消するために、一刻も早く安い放射線量計を世に出したい」と本気で考えていたからだそうです。

 

第四回目の記事(2012年4月16日号)では、最初に発売された「エアカウンター」と「エアカウンターS」との価格差を縮めるため、すでに完成していた「エアカウンター」の中国での生産ラインを止めて日本での生産に切り替えたこと、エアカウンターが利益度外視(赤字になることを承知で)で価格を切り下げて発売したことが紹介されています。

2011年度は品不足になってしまいましたが、その理由は1台あたりの校正の時間が最低でも5分かかるためだとか。

ちなみに、2012年3月末時点でのエアカウンター(初代)の出荷台数が7万7000台、エアカウンターSは14万8000台。さらに、次の世代のエアカウンターも開発中であることが明かされています。どんな商品が出てくるのか、楽しみですね[わーい(嬉しい顔)]

 

エステーによる線量計開発の記事 エステーR&D部門 商品開発グループ 第一チーム  ガイガーカウンターの原理は、放射線による気体の電離作用を使って測ること。ガイガーカウンターは、ガイガー・ミューラー管という真空管を使うため、量産には向かない。シンチレーション方式は、放射線を受けると発光するシンチレータの発光をフォトダイオードで観測する。


線量計に関する記事

 

 ・ 線量計(Wikipedia)

線量計の種類 エステー化学から発売されている「エアカウンター」のセンサーは、シリコン(Si)半導体(フォトダイオード(PD))方式を採用。他のセンサー種類として、PINフォトダイオード方式(ポケットガイガーKITなど)、GMT(ガイガーミューラー管)方式、さらに高価な検出器にはシンチレーション式検出器が用いられています。

 ・ 福島県内に設置されているモニタリングポストの数値(文部科学省)

  福島県内2700ヶ所に設置されたモニタリングポストの数値を確認できるサイト。 10分毎に数値が記録されています。モニタリングポストの数値のグラフ・警戒区域内の数字もあり。福島県相双地区 南相馬市原町区小高区 浪江町 双葉町 大熊町 富岡町 川内村 飯舘村 広野町 楢葉町 いわき市 葛尾村 三春町 小野町 郡山市 須賀川市 二本松市 伊達市 川俣町 福島市


 

<当ブログ内:関連記事>

 


 ・ 【実録】自宅の除染活動の記録

 

 ・ 【レポート】自宅除染作業で エアカウンターS を試してみました

 

 ・ 【写真】原発事故後に配布された安定ヨウ素剤

 

 


 

<Amazon>アマゾン 通販 放射線量計 販売

 ◎ エアカウンターS エステー エアーカウンター

・・・・・・・・・・・

 

・・・ 

 

◎ エアカウンター 家庭用放射線測定器

 →エステーから発売された最初のモデル

 
・・・ ・・・
 

 

◎ 堀場 環境放射線モニタ−(シンチレーション式) PA1000 Radi

 →感度の比較で使用した線量計

・・・
線量計:


エアカウンターに関するニュース記事◆2012年6月12日高性能機種「エアカウンターEX」を新発売 検出形式にCsIシンチレーション式を採用◆わずか30秒で誤差±15%の測定を低価格にて実現◆検出方式に、これまでのSi半導体から、より高性能の“CsIシンチレーション式”を採用◆これによってCs137の測定感度が格段に高まり、その測定時間は既存の「エアカウンターS」の最長2分に対し1/4の約30秒と測定時間を大幅に短縮。自治体や学校、教育機関、除染事業者などを対象に発売。個人向けには、8月初旬にエステーのインターネット通販で発売する予定。販売価格は税込み19,800円、月産数量は約1万個。

<エステー:リリース関連記事> 

 「エアカウンターS」新発売 プレスリリース(エステー)

 生活者の不安解消のために家庭用放射線測定器 第2弾
 「エアカウンター」後継機種「エアカウンターS」を新発売
 量産タイプで販売エリアを拡大! (エステー)

 

 「エアカウンター」を性能アップして値下げ(エステー)

  生活者の不安を解消するための家庭用放射線測定器(10月20日出荷)
 「エアカウンター」を性能アップして値下げ
 日進月歩の新技術を導入!

放射線量計 ポケットガイガーKIT PDM-122 マイ・ドーズ・ミニ(日立アロカメディカル)(セーラー万年筆)Geiger counter(ガイガーカウンター) RD1503 ロシア製 SOEKS-01M  RADEX RD1706 RD1503 ECOTEST TERRA-P+ REN200+  DoseRAE2  EZ-RAY-018 Thermo RADEYE PRD RADEYE PRD INTERNATIONAL MEDCOM社製ガイガーカウンター INSPECTOR ALERT INSPECTOR+ (インスペクタープラス)

【実録】地域の通学路除染活動(福島県) [福島原発事故関連]

 ブログ記事:福島県内における除染活動の実情を紹介します。

2011年9月中旬に、地域の自治会から通学路の除染作業実施について説明がありました。

自治会の通学路除染活動には、最大50万円までの助成金が支給されます。ただし、支給要件として「地域の市民活動として必ず地域の住民が活動に参加すること」「除染の前後で同一地点の数値を比較すること」などが伝えられています。

 

要するに、業者に全部やってもらうというのはダメですよ、ということですね・・・[あせあせ(飛び散る汗)]

 

 

「除染活動をやってください」と言われても、これまではそんな経験がなく、すべて手探り。

自分たちの住む地区は「できるかぎり早く除染を行なって、子どもたちを守りたい」という区長さんからの強い希望もあり、他地区に先駆けて除染に向けた活動を開始。

9月の自治会会合で、10月中旬の秋の市民清掃の後に、そのまま続けて地区有志の方に通学路の除染活動に参加してもらうことになりました。

 

何度か話し合いを経て決まった除染の方針は次の通り。

 

1.線量の高い場所を特定(事前に通学路全体の線量測定を実施)

2.除草と剪定を実施(樹木については、造園業者に刈ってもらう)

3.高圧洗浄機によるアスファルト歩道の洗浄を実施 

 

さらに、支給された補助金を使って、清掃用の道具を買い揃えました。

 

 


 

除染活動前の測定では、アスファルト歩道から流れた水が染み込む土の部分、雨水がたまる排水口の入り口付近の土砂、桜の木の下など木や草が茂っている部分のそばの線量が高くなることが分かりました。

 

いよいよ除染活動の当日。100名近い方が集まりました。

 

 01katudo.jpg

 

 

02sakura.jpg

周囲の線量が高いので切られてしまった桜の木。

桜切るバカ・・・と言いますが、放射線量を下げるためには仕方ありません[もうやだ~(悲しい顔)] 

 

 

 

03dosya_500.jpg

 

歩道沿いの土砂が堆積しているエリアは、周辺の倍以上の放射線量の数値を示していました。みんなで長年たまった泥をかきとります。

 

 

 

04cleaned_500.jpg

きれいになりました。

線量の数値は、0.57μSV/h→0.22μSV/hまで下がりました。

 

予想していたよりハードな作業で、クタクタになりました・・・ [あせあせ(飛び散る汗)]

 

 

 

07kouatusenjyo_500.jpg

除草後に高圧洗浄機で除染。

 

 

 

08kouatusenjo2_500.jpg 

高圧洗浄機はレンタル品。

 

地域で除染したおかげで、通学路はピカピカになりました!

 

 

 

一週間後、息子と除染後の通学路の線量調査を行いました。

 

03monitor_500.jpg 

1mの高さの線量値を測定中。

地面にある怪しげな模様は、高圧洗浄機のジェット水流で削られた跡。

 

各測定地点において、地面から ①1cm、②50cm、③1m の3つの高さの数値を測定します。

通常は地面に近づくほど数値が高くなります。

この道沿いの区間は、除染活動前は①の「地面に近い部分」の数値が一番高かったのですが、除染後は逆に地面の数値が一番低くなりました。

 一方で、地面から高い②、③の数字はほとんど変わりません。

あれだけ苦労して除染活動したのに・・・残念です[もうやだ~(悲しい顔)]

 

おそらく、地面近くは高圧洗浄機によってきれいになったので線量の数値が下がったのですが、1mぐらいの高さだと周辺の木々から降り注ぐ放射線の影響が大きくなるのでは・・・と仮説をたててみました。

「じゃあ、除染した歩道のすぐそばにある公園の木のあたりを測定してみたらどうかな~[ひらめき]」と息子が提案。

 

さっそく測定してみたところ、予想した通りに高い数値が。

(周辺の木々は0.5μSV/h強、一方の地面近くは0.20~0.25μSV/h)

 

つまり、除染によって線量値を下げようと思うのであれば、周囲にある放射線の発生源をすべて撤去しないと効果が無いことになります。 

 

04cut_500.jpg

バッサリ刈り取られたツツジ。

 

 

「学校の近くの歩道の真ん中にあるポールにつまづいて転んだ」と息子が言っていたので、「何で道路の真ん中にポールが置いてあるんだろう?」ということで、調べてみることにしました。

 

05hotspot_radioactive_500.jpg 

怪しげな道路の割れ目を測定すると・・・

 

06hotspot_radioactive_500.jpg

1.98μSV/hと高い数値でした!こういうところに放射性物質がたまるんですね。

(ここは数カ月後に工事によってきれいになりました。)

 

我が家の周辺(0.2-0.3μSV/h)の数値に比べるとこの数字はかなり高いように思われるかもしれませんが、福島県の中通り地方(東北新幹線が走っている地域の周辺)ではこれがふつうの線量値なのです。(2011年夏時点)

 

地域の除染活動に参加してみて、地域全体の放射線量を大きく下げることは難しい・・・と痛感させられました。

 

 



セシウム、ヨウ素といった放射性物質の除染マニュアル集  

<関連サイト>

 ・ 放射性物質除染マニュアル(南相馬市)(PDF)

 ・ 福島市除染マニュアル(第一版)(PDF)

 ・ いわき市放射線量低減のためのマニュアルについて(いわき市)

 ・ 放射性物質除染マニュアル(相馬市)(PDF)

 ・ 福島県における除染の取り組みについて(福島県HP)(PDF)

福島第一原子力発電所の爆発事故により拡散した放射性物質の除染作業の手順は、各地の自治体のホームページに除染マニュアルとして紹介されています。除染作業の際に舞い上がる放射性物質を含むホコリの吸引を防ぐためにマスクを着用し、さらに帽子、ゴーグル(メガネ)、手袋、長靴を着用します。高圧洗浄機を用いる場合はしぶきが飛び散るので、雨合羽(カッパ)を着た方が好ましいです。作業内容は、草刈り、洗浄(水洗、ふき取り)、清掃、表土剥ぎ、剪定(刈込み)、草刈り、土砂のかき取り、落ち葉集め、屋根や雨樋の洗浄、高圧洗浄機による洗浄などです。活動は除染アドバイザーの資格を持つ方の指示に従い、個人、地域単位での活動、ボランティアとの協力による活動があります。集めた落ち葉、草木、土砂は自治体の指示に従って保管および処分します。土壌は土のう袋に入れてビニール袋やブルーシートをかけた状態で公園や広場などの仮置き場に集めた後、最終処分場が決まるまで保管します。重機により地面に穴を掘って遮水シートで覆った場所に埋めることもあります。市役所や役場、公共施設、通学路が優先的に除染の対象となります。


【実録】自宅の除染作業の記録(福島県浜通り地方) [福島原発事故関連]

 

我が家は福島第一原発から40kmほどはなれた地域にあります。

原発事故の影響で、自宅周辺では0.2〜0.3μSV/h程度の放射線量があります。

妻と子どもは福島第一原子力発電所の1号機が爆発した翌日の3月13日の朝にここを離れて半年間九州へ疎開していました。

わたしはひとり家に残っていました。

 

2011年夏に、家の内外の除染作業を行いました。このページでは、自宅周辺の除染活動の様子を紹介します。

 

 

◎ 自宅周辺の除染作業   

まずは自宅の掃除をすることに[手(グー)]

 

 

   25dougu_500.jpg

革手袋、土のう袋、デッキブラシ、ホースを買ってきました。デッキブラシは売り切れていたらしく、ちょうど入荷したばかりだと店員さんが言っていました。土のう袋も残りわずかだったので、地域のみんなが除染活動をやっているようです。

   

 

地元の災害支援ボランティアでがれきの撤去作業を行ったの際に支給されたマスクと防塵ゴーグルで完全装備して、作業開始!

 

  

   13otiba_500.jpg

自宅周辺は0.25~0.30μSV/h程度の線量ですが、落ち葉や土のたまるところでは数値が高くなる傾向があります。(ここでは0.607μSV/hを表示しています。)

まずこういった場所をきれいにするところから始めました。

 

 

26sidewalk_500.jpg

家の前の歩道沿いも清掃。

こういう落ち葉とか土の放射線量が高いんですよね・・・[ふらふら]

 

 

 

15before_500.jpg

自宅周辺の低木。

伸びた葉に放射性物質が付着しているので、刈りこみを行います。

 

   

16syori_500.jpg

 

11after_500.jpg

ヘッジトリマーでガンガン刈って、きれいになりました。

 

 

 

 

50backyard.jpg
 
家の裏手にはカーポートがあり、ラベンダーが伸び放題に。
  
  
  
 
51before.jpg
  
あらら・・・[ふらふら] 0.4μSV/hも! 放射線量がけっこう高い!
  
風の吹き溜まりのようになってしまったのでしょうか?
  
 

 

 

 

17back_before_500.jpg

作業前。

 

 

18back_after_500.jpg

作業後。スッキリしました![わーい(嬉しい顔)]

 

 

19gomi_500.jpg

たくさんゴミが出ました![わーい(嬉しい顔)]

草木は生ゴミとして自治体のごみ収集車が持って行きました。

  

  

   


◎放水による水洗

 

続いて、放水による水洗。

放水時は跳ね返ったり上から落ちてくる水を浴びるので、登山用の雨ガッパを着用して作業。

 

 

29showering.jpg

玄関に放水中。

  

 

   33shower3_500.jpg

窓にも放水。

 

 

 

外回りの掃除が終わったら、家の中の掃除も。

 

38syokki_500.jpg

食器棚の天板が汚れていたので、こすって落とします。

 

 

39syokkiafter_500.jpg

放射性物質を除去するためには、ぞうきんで拭いて洗って使いまわすのではなく、使い捨ての布を使って拭いた布は洗わずにそのまま捨てる方がいいそうです。

 

そこで、近所のスーパーが「赤ちゃんのおしりふき」を安売りするタイミングを狙ってたくさん買いこんできました。

 

   37renji4_500.jpg

レンジグリル、食器棚など台所を中心として、年末大掃除の時以上にきれいになりました[手(チョキ)]

 

 

   40beranda.jpg

ベランダは線量が高くなりがちな場所なので、おしりふきをジャンジャンつかってふき掃除しました。窓のレール溝の汚れも同じく拭きとってスッキリ!

 

 

◎ 庭の表土削りは線量低減に効果あり!

 

除染作業はまだまだ続きます。

翌日はカーテンの洗濯と庭の表土削りを行いました。

 

  24cartain_500.jpg

朝一番でカーテンを洗濯。

 

乾いたカーテンを取り込んでから表土削りを始めます。 

 


本格的に表土を削り取る前に、まず線量計を使って、表土除去でどれぐらい線量が下がるのかテストしてみました。

 

20side_before_500.jpg

子どもたちが遊ぶ家沿いのエリア

 

 ここのエリアの土を取り除いて除染効果があるかどうかテストします。

 何もしていない状態では、地面から1cmの測定で0.25μSV/h前後の数値。

 

 

21side_after_500.jpg

表土を5cmぐらい除去しました。さて、効果はいかに・・・?

 

 

22side_aftre_2_500.jpg

数値が半分ぐらいまで下がりました。

 

 

放射性物質は地面の表層部分に多く残留していることが分かります。後になって福島大学で放射線の調査をしている先生とお話させて頂きましたが、やはり表層の土に放射性物質(主に放射性セシウム)が強く吸着されているようだ、と言っていました。

 

 

 

27sagyou_500.jpg  

土を削って土のうに詰めます。

 

 
 
家の裏手のラベンダーと表土を撤去しました。
  
  
 
その後、集めた土を土のう袋に詰めました。  

 

28donou_500.jpg

それほど広い庭ではないのに、土のう袋に詰めたらけっこうな量!

これの回収先はまだ決まっていません・・・。(仮置き場が決まるまで、役所では引きとってもらえないのです[もうやだ~(悲しい顔)]

 →後日、造園業者に芝の除去を依頼した際に有償で引き取ってもらいました。

  


41coverd.jpg

 

土のう袋は日光に当たるとボロボロになってしまうので、日よけのシートをかぶせました。

 

先ほどの表土は0.25μSV/h程度でしたが、この土のう袋の線量はどのぐらいでしょうか?

 

 01donou_500.jpg

 

02donou2_500.jpg

 0.98μSV/hもありました![がく~(落胆した顔)] 高い!

 

 

 

 


 

 

◎ 造園業者による表土と芝の除去

 
 

 冬に入ってから、造園業者さんにお願いして庭の土と芝を撤去してもらいました。

同時に、市役所に引き取ってもらえなかった土のう袋に入れた汚染土も回収してもらいました 

 

 07removed.jpg

放射性物質が入った土のうを撤去してもらい、スッキリ!

 

01backyard_550.jpg
  
除染前は0.4μSV/hでしたが、0.16μSV/hまで下がりました[わーい(嬉しい顔)]

 

 

 

 03after_enterance2.jpg

 造園業者さんに土を削ってもらいました。

 

 

 

04surface_remove.jpg 

人力だとクタクタになりましたが、重機を使うと速いです!

 

 

 

02after_enterance.jpg 

 土を削った後、レンガ片を敷き詰めました。

 

 

 

 

芝生には放射性物質が付着しているので、剥がします。

 

 33before_garden.jpg

剥がす前の状態。(2011年夏)

 

52before2.jpg
 
線量は・・・こんな感じ。
  
 

 

05after.jpg

芝を剥がし、低木を撤去した後。(2012年1月)

殺風景な庭になりました・・・[もうやだ~(悲しい顔)]

 

 

02garden_550.jpg
 
0.3μSV/h前後だった庭の線量は、0.15μSV/hに低下。
 
芝の撤去による線量低減効果は高いようです。
  
  
 

 

 

 

10estimates.jpg 

庭の除染工事の見積もり。

 

 芝の撤去以外にも、表土除去や砂場の設置など、いろいろと工事をお願いしたので、費用は全部で15万円ぐらいかかりました。

補償金は国や県から1円も支払われていないので、すべて自己負担[あせあせ(飛び散る汗)]

 

元々それほど線量が高い地域ではないので、ここまで費用をかけるべきかどうか悩みましたが、大事なのは小さな子どもたちのために「何かをやった」という気持ちの問題なのではないかと考えています。


 
そういう意味では、除染によって線量が下がったので、かなり安心しました。

福島県 避難地域 南相馬市小高区、飯舘村、浪江町、双葉町、富岡町、楢葉町、広野町、川内村 ・3km圏内 2011年3月11日夜 即時避難指示(一時帰宅禁止)8月26日に一時帰宅許可 ・20km圏内 警戒区域 3月12日 20km圏内を避難指示区域に指定。即時退避。4月22日に警戒区域に指定。7万8000人が避難。 ・30km圏内 屋内退避区域 3月15日「放射能が人体に影響をおよぼす可能性がある」ことから、20〜30km圏内は建物から外へ出ないように指示(4月22日解除) 緊急時避難準備区域 4月22日 屋内退避区域で計画的避難区域に該当していない地域を緊急時に屋内退避が必要な地域として指定(いわき市は除外)9月30日解除 ・計画的避難区域 4月22日 放射線量が年間20ミリシーベルトに達する恐れがあり、いますぐではないが、5月末をめどに準備をして避難する地域として指定。飯舘村、浪江町津島、川俣町山木屋、葛尾村。 


 

 

<関連サイト>

 ・ 放射性物質除染マニュアル(南相馬市)(PDF)

 ・ 福島市除染マニュアル(第一版)(PDF)

 ・ いわき市放射線量低減のためのマニュアルについて(いわき市)

 ・ 放射性物質除染マニュアル(相馬市)(PDF)

 ・ 福島県における除染の取り組みについて(福島県HP)(PDF)

 


 

除染作業には放射線量計が必要です。除染の効果を見積ることができます。

<関連記事>

 

 ・ 【レビュー】線量計:エアカウンターS(エステー)の感度チェック

 福島第一原子力発電所の爆発事故により拡散した放射性物質の除染作業の手順は、各地の自治体のホームページに除染マニュアルとして紹介されています。除染に際しては、除染の効果を確認するために、空間線量計による線量測定を行うことをおすすめします。基本的に放射性物質は拭きとることにより除去できますが、雑巾のように何度も洗って使い回しするよりも、一回ごとに拭きとって捨てるティッシュや赤ちゃんのおしりふきを使うことが望ましいです。屋外での作業では、除染作業の際に舞い上がる放射性物質を含むホコリの吸引を防ぐためにマスクを着用し、さらに帽子、ゴーグル(メガネ)、手袋、長靴を着用します。

高圧洗浄機を用いる場合はしぶきが飛び散るので、雨合羽(カッパ)を着た方が好ましいです。作業内容は、草刈り、洗浄(水洗、ふき取り)、清掃、表土剥ぎ、剪定(刈込み)、草刈り、土砂のかき取り、落ち葉集め、屋根や雨樋の洗浄、高圧洗浄機による洗浄などです。活動は除染アドバイザーの資格を持つ方の指示に従い、個人、地域単位での活動、ボランティアとの協力による活動があります。集めた落ち葉、草木、土砂は自治体の指示に従って保管および処分します。土壌は土のう袋に入れてビニール袋やブルーシートをかけた状態で公園や広場などの仮置き場に集めた後、最終処分場が決まるまで保管します。重機により地面に穴を掘って遮水シートで覆った場所に埋めることもあります。市役所や役場、公共施設、通学路が優先的に除染の対象となります。


【原発事故関連】福島県の幼稚園・小学生が身につけている積算線量計(ガラスバッジ) [福島原発事故関連]

原発事故後、福島県の児童の積算線量を測定するためにバッジが配布されました。
01badge.jpg
  
こちらが積算線量計。
福島県内の子どもたちはみんな首からぶら下げています。
  
  
 
 
02badge_front.jpg
  
線量計の表面。学校名、名前の入ったシールが貼られています。
  
 
 
03badge_back.jpg
ガラスバッジの表面と裏面
ガラスバッジの裏面。バーコードが印刷されています。
 
  
  
放射線管理技術者など大学・病院・研究所で着用されている汎用品です。
  
  
クイクセルバッジはOSL素子(酸化アルミニウム素子)を用いた放射線測定用線量計。
ケースには4種類の線種及びエネルギー識別用のフィルタ(オープン(何もなし)、プラスチック、銅、アルミニウム)が組み込まれています。
  
  
詳細は、下記リンクをご参照ください。
  
 
  
線量計で測定した結果は、県民健康管理調査に反映されます。
  

  
  
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【原発事故関連】いわき市:地震直後に公表されなかった放射線量データ [福島原発事故関連]

 

県民健康管理調査のブログ記事を作る際、福島県のHPにある放射線量データを調べていた時に、あることに気がつきました。

地震直後にいわき市のHPに掲載されていた放射線量のデータと県庁のHPに掲載されているデータが違うのです。

 

 

20110316iwaki_radioactive_r.jpg
  
いわき市と福島県の公開データの比較。
  
赤プロットがいわき市のデータ緑プロットが福島県のデータ
  
(クリックすると拡大します)
    
  
  
  
 いわき市のHPで公開されていたデータはhttp://www.city.iwaki.fukushima.jp/topics/010284.htmlに掲載されていました。(現在はリンクが削除されています。)
  
自分は、3月16日の17時過ぎに、市役所のホームページで線量データが公開されていることに気がつきました。
   
  
 
 
0220110316_iwaki_radioactiv.jpg
 
いわき市のHPで公開されていたデータ
  
  
3月16日の午前9時から数値が始まっています。それ以降の測定時間間隔は、1.5時間、2時間、1.5時間、1.5時間、1.0時間、0.5時間、1.0時間・・・と不規則になっています。
  
  
  
最初のグラフからもわかるように、いわき市の公開データと福島県のHPで公開されているデータの数値は全く同じで時間間隔が違うだけなので、同じ測定装置で測定したデータと推測されます。
  
  
  
 
0314-0316radioactive_fukush.jpg
 
福島県のHPで公開されているデータ(3月14日〜3月15日)
  
(クリックすると拡大します)
 
 
   
   
上のグラフ(福島県庁HPで公開されているデータから作成)では、最初に示したグラフ(3月16日)の前日(3月15日)未明の時点で、すでにいわき市では急激な線量値の上昇が観測されていました。しかし、このデータは地震直後には公表されていませんでした。
  
  
  
なぜこのようなデータの間引きや後出しが行われたのか、理由はわかりません。
  
地震や津波被害の対応で市役所が混乱していたことが原因のひとつではないかと思っています。
 
  
  
いずれにせよ、我々市民としてはこういう測定データを適切な形で公開し、緊急時の行動の指針として生かしてもらいたいと祈るのみです。
  
   
 
  
  
いわき市役所と福島県庁の公開データの違いに気がついた後で、他にも気づいた人がいないか調べてみたところ、下記のページで同じことを紹介していました。
 
   
 
 
こちらの方は5月の時点で気づいていたようです。
 
早いですね・・・。
 
 

 
<関連サイト>
 
  
緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)というシステムがある。緊急事態が発生した際に、気象観測情報、アメダス情報と放出核種、放出量等の情報を入れることにより、六時間先までの希ガスによる外部被曝線量や甲状腺等価線量などをシミュレーションすることができる。原発事故直後には予測が出ていたににもかかわらず、地元住民には知らされなかったことから、無用な被曝を招いたとして問題になっている。 福島第一原子力発電所・放射性物質放出事故直後の放射線量データ 原発事故直後の放射線量データ グラフ

【動画:南相馬市海岸線】2011年7月 津波から4ヵ月後の被災地 [福島原発事故関連]

 東日本大震災 津波被災地の動画 ドライブレコーダー 航空写真 Googleマップ

妻の出身地である 福島県南相馬市 を車で訪れた時の動画を編集しました。

 

津波後の海岸線。

あまりにも悲惨な風景が広がっていたので、撮影した動画を編集する気持ちになれませんでした。年末が近づくにつれて、「こういう記録はきちんと残しておかねば」と思うようになり、重い腰を上げてようやく動画の編集が終わりました。

 

 

この動画を撮影したのは2011年7月初旬。

南相馬市在住の妻の両親と一緒に被災地を回りました。

妻の両親は南相馬市で小学校教師をしていたことから、津波で被災した地域には教え子達の家がたくさんありました。

渋佐の海岸線を通っている時、家の土台しか残っていない教え子の家の前を通りながら、「ここは◯◯君の家、あっちは△△君の家があったんだが・・・」と静かにつぶやく姿が痛々しかったです。

以下、南相馬市の警戒地域北端から相馬市までの海岸線を北上した際の動画です。

 


  

 

・ドライブレコーダー動画 1/3

【南相馬市警戒区域北端(大内新興化学)〜雫〜萱浜〜下渋佐〜上渋佐】


大内新興化学原町工場 間形沢 三和化学工業原町工場 南相馬市浄化センター シマ商会夢工場 ゆめ工場 権現下 山畑 上ノ台 台畑 東坊志 北畑 北迫田 南谷地 前田 長沼 北迎 三軒屋 西田 百目木 切付 蔵前 東蔵前 湊 南赤沼 新赤沼 赤沼 大身 平 大橋 大橋建設 三友住設 八坂神社 仲西 後川 惣ヶ沢 新田川 萱浜 かやはま かいはま

・ドライブレコーダー動画 2/3

 【南相馬市原町区高平〜泉〜北泉〜金沢〜烏崎〜大内〜南右田〜北右田〜南海老】



県道260号 舘前 南走 西走 宮前 町池 脇 塩釜神社 北泉海水浴場 北泉海浜総合公園 シーサイドパークオートキャンプ場 浦 谷地前 浦頭 荒治郎 外輪戸 水神崎 沖田 天化沢 道金沢 鳥居沢 松迫 北向 鳥居作 原田 南谷地 添越 鹿島区烏崎 町 戸屋 寺前 宮田 六平作 寺下 浜 大迫 南入 石崎 北谷地 相馬双葉漁協鹿島支所 下谷地 津神社 仲谷地 牛島 杉内 大古内 蛭田 二ツ沼 右田浜キャンプ場 鹿島区南右田 瀬戸内 金山田 石打 竹花 金山 松木内 浜田 稲荷田 軍塚 右田浜海水浴場 南高屋釜 北高屋釜 中屋敷 横堀 房田 沼向 浦尻谷地 水久保 豊後谷地 蛭沼 竹ノ内前 下沖 杉前 西畑 福田 南町 鹿島区南海老 しずく しどけ しとけ

・ドライブレコーダー動画 3/3
 
【南相馬市鹿島区北海老〜蒲庭〜磯部〜柏崎】




 豊前屋敷 北原 中堤 大森 前堤 磯ノ上 浦尻 釜船戸 釜船戸東 港公民館 港口 孫目 県道74号 山田神社 前釜 立切北 舘前 船田 熊野神社 坂下 蒲庭温泉 蒲庭館 軽井沢 蒲庭 綿津見神社 佐藤工業所相馬工場 フルーツガーデンほそぬま 磯部小学校 磯部幼稚園 上ノ台 磯部郵便局 門馬酒店 大浜 芹谷地 コスモ(有)太田石油磯部給油所 大洲集会所 磯部農集浄化センター 大洲 相馬海浜自然の家 南家野 北家野 松川浦 東柏崎 柏崎 梅川 石ノ町 観音前 蟹不喰 大師前 石橋 飯豊郵便局 程田 明神前 飯豊幼稚園 新田 寺田 南城 鷺打 前田中 天神 

[2012年1月21日 追記]

 

仙台空港→伊丹空港と向かう機上から撮影した南相馬市の海岸線の写真です。2012年1月18日撮影。

 

13kashima.jpg
 
南相馬市鹿島区上空。画面中央に真野川。

 

 

 

12soma_matukawaura.jpg
  
相馬市上空。右上は磯部地区。
  
  東日本大震災の津波被災地。西側から太平洋側を望む。航空写真。上空写真。
  

 



  
◎2011年12月に再び南相馬市を訪れました。

  

 

02shibusa.jpg
 
南相馬市原町区下渋佐
 
家の基礎のコンクリートまで集められていました。
  
   
  
  
01kitaizumi.jpg
 
北泉海浜総合公園から望む原町火力発電所
  
  
  
  
03jyoen_kitaebi.jpg
 
鹿島区南海老。田んぼの堆積物が集められていました。
 
塩を取り除くための「除塩」だそうです。
 
  
鹿島区北海老で米を作っている親戚のおじさんに話を聞いたところ、「放射性物質の基準が厳しくなったので、来年も米作りは難しそうだ・・・」ということです。
 
  
  
 
   
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【放射線量グラフ】福島県各地の原発事故直後の放射線量をグラフ化[福島県HPより] [福島原発事故関連]

原子力発電所事故直後の原発周辺地域の放射線量推移のグラフを作りました。

0311_0331radioactive_fukush.jpg
   
   
福島県から「県民健康管理調査」の調査票が送られてきました。
  
 
これは地震直後から7月11日までの行動記録を記入することにより、各個人が受けた被曝線量の推計値をあきらかにすることが目的。
  

 

01health_examination.jpg

調査票の表紙。

大震災に伴う原子力災害により、大変なご苦労や心労、不安を抱えていらっしゃると思います。そこで福島県では、放射線の影響による不安の解消や将来に渡る県民の皆様の健康管理を目的ととした「県民健康管理調査」を実施することにしました。

01events.jpg

調査票に入っている地震直後の記録。

これを読むと、当時の緊迫した状況がよみがえります。

 

 

 

04kinyuu.jpg

記入した記録表。

 

「屋内」「移動」「屋外」の3つのカテゴリーに分けて、何時にどこにいたのか記入します。

 

調査票を書いていて「いったい地震直後の空間線量値はどれぐらいだったんだろうか?」と疑問に思ったので、福島県のHPからデータをダウンロードし、グラフを作成してみました。

福島市、郡山市、白河市、会津若松市、南会津町、いわき市、南相馬市の7方部のデータが公開されているので、それぞれグラフにしてみたところ、地域によって線量の上がり方がかなり異なることが分かります。

 

そこで、期間を分割して、地震直後の放射性物質の放射線量の変化を調べてみました。

 

 

0311_0331radioactive_fukush.jpg

3月11日〜3月31日の線量の推移

(クリックすると拡大します)

 

全体を表示すると見づらいので、分割してみました。

 

1.地震直後 3月11日〜3月13日

 

0312_0314_radioactive_fukus.jpg

(クリックすると拡大します)

 

福島第一原発1号機の爆発の影響は南相馬市へ?

最初に福島第一原子力発電所で爆発が起こったのは、3月12日(土)15時36分、1号機の原子炉によるものでした。その前の10時17分に最初のベントが行われています。
 
この影響が放射線量に反映している地域は、南相馬市のみ。21時に20μSV/hの数値のピークが現れ、その後は急激に低下しています。

福島市やいわき市のデータ3月13日から記録されていますが、その時点での数値は0.1μSV/h以下ですので、この時点ではまだ線量の上昇はなかったと推測されます。

 

 

2.3月14日〜3月15日

  

0314-0316radioactive_fukush.jpg

(クリックすると拡大します)

 

3月15日(火)福島県内各地で放射線量が上昇

3月12日〜3月14日までは、南相馬市のみ放射線量値が2〜3μSV/hrで高止まりし、福島、郡山、いわきといった他地区では線量が低いままでした。
 
3月14日は午前5時20分に福島第一原発3号機でベント実施、午前11時1分に福島第一原発3号機で水素爆発が起こりました。この直後は南相馬市でわずかに線量の上昇が起きていますが、他地区への影響はありません。
 
ところが日付が3月15日に変わる頃から、いわき市の線量値が急激に上昇。午前4時に23.7μSV/hrのピークを観測。その後は急激に値が低下しました。

(このとき自分はいわき市内にいましたが、地域の防災無線からは何のアナウンスもありませんでした。ただし、午前11時頃に消防団の消防車が「外出しないでください」とスピーカーで呼びかけていたのを覚えています。)
 
さらに、3月15日の午前6時1分に福島第一原発2号機で爆発音あり。(圧力抑制室破損の疑い)
6時14分には福島第一原発4号機の外壁破損を確認。その後9時38分に火災が発生。(午前11時に鎮火)

3月15日の13時に郡山と白河の線量値が同時に上昇。一方、同じ中通りにある福島市の線量は低いまま。
 
16時を過ぎると南会津町、17時には会津若松市で初めて線量が高くなっているので、放射性物質を含んだガスが西〜南西方向に流れたことがうかがえます。
 
南相馬市でも20時頃に線量値が上昇。一方、同じ浜通りのいわき市の線量は変わりません。この日の放射性物質ガスの動きはかなり複雑です。

 

3.3月16日〜3月19日

 

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(クリックすると拡大します)

 

3月16日(水)福島市の線量値がピークに

3月16日に日付が変わった頃、それまで線量値の低かった福島市で急激に線量値が上昇。最大で24μSV/hrを記録し、その後も値が下がらず高止まりしました。これは運悪く雨が降っていたために、放射性物質が地上に降り注いでしまったためと思われます。

この日はいわき市でも午前2〜4時と午前11時の2回、線量の上昇が観測されました。一方、福島市といわき市以外の地域では極端な線量の増加がありません。


福島市の天気(3月16日)

午前0時〜3時にかけて、1〜2mmの降水が記録されています。前日17時から小雨が降り続いていたので、雨が降っているところに放射性物質を含むガスがやってきたことになります。
   
この日の原発の動きについては、3月16日(水)午前8時30分に福島第一原発3号機で白煙が発生しています。

 

4.3月20日〜3月22日

  

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5.3月23日〜3月31日

  

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(クリックすると拡大します)

 

3月16日以降については、3月18日18時、3月19日11時、3月20日の17時に南相馬市で線量のピークが、3月21日の11時にいわき市でも線量のピークがみられます。


3月24日の10〜18時に南相馬市で若干の線量の増加が見られますが、その他の地域では極端な線量増加のピークはありません。



ここでは福島県から送付されてくる「県民健康管理調査」記入の参考とするために、福島県各地の放射線量のグラフを紹介しました。
 
放射性物質の拡散状況についてより詳細に知りたい方のために、下記サイトを紹介しておきます。



 ・ 福島第一原発事故タイムライン(ドキュメンタリー)

 青森市 盛岡市 仙台市 秋田市 山形市 会津若松市 南会津町 前橋市 茅ヶ崎市 仙台市 福島市 南相馬市 郡山市 白河市 いわき市 北茨城市 宇都宮市 さいたま市 水戸市 新宿区 市原市


  

 

 <関連サイト>

 

 ・ 各地の放射線量(放射性物質の濃度)【グラフ】(NHKニュース)

 ・ 県民健康管理調査について(福島県HP)

 ・ 福島県県民健康管理調査「基本調査(外部被ばく線量の推計)、甲状腺検査」
の概要について(福島県HP)

 内部被曝 県民健康管理調査 福島県 セシウム ヨウ素 データ 調査 計画的避難区域 放射性ヨウ素 小児甲状腺がん 触知 福島市 伊達市 飯舘村 飯館村 葛尾村 浪江町 富岡町 大熊町 広野町 楢葉町 二本松市 郡山市 白河市 会津若松市福島県 避難地域 3km圏内 2011年3月11日夜 即時避難指示(一時帰宅禁止)8月26日に一時帰宅許可
20km圏内 警戒区域 3月12日 20km圏内を避難指示区域に指定。即時退避。4月22日に警戒区域に指定。7万8000人が避難。
30km圏内 屋内退避区域 3月15日「放射能が人体に影響をおよぼす可能性がある」ことから、20〜30km圏内は建物から外へ出ないように指示(4月22日解除) 緊急時避難準備区域 4月22日 屋内退避区域で計画的避難区域に該当していない地域を緊急時に屋内退避が必要な地域として指定(いわき市は除外)9月30日解除
計画的避難区域 4月22日 放射線量が年間20ミリシーベルトに達する恐れがあり、いますぐではないが、5月末をめどに準備をして避難する地域として指定。飯舘村、浪江町津島、川俣町山木屋、葛尾村。
 


【原発事故関連】県民健康調査を記入しました [福島原発事故関連]


 
 
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10月中旬に、福島県から放射性物質による被曝量を推算するための調査票である「県民健康管理調査」が送られてきました。
  
原発事故が起こった当時の記憶をたどるのが苦痛だったので、手を付けずにしばらく放置していました。
  
  
 
 
01events.jpg
 
地震直後の主な出来事を表にしたカレンダー。
  
 
 
  
 
04kinyuu.jpg
  
記入しているところ。
  
 
 
「屋内」」「移動」「屋外」の3つの滞在場所に分けて、それぞれいた場所と時間を記入します。
  
他にも、路地物の食べ物や牛乳を食したか、ヨウ素剤を服用したか、井戸水を飲用したか、といった設問がありました。
   
自分が外で水を求めて並んでいたり、がれきの片付けをしていた時にどれぐらいの放射線量か知りたかったので、こちらのページに福島県内各地の3月の放射線量のグラフを作ってみました。
 
  
  
 
 
05envelope.jpg
  
封筒に入れて提出。
  
  
  
 
 
02newspaper_radioactive.jpg
  
新聞に線量の高い地域の調査票を集計した結果が掲載されていました。
川俣町山木屋地区、浪江町、飯館村飯舘村が対象。
  
  
  
 
03newspaper_radioactives.jpg
  
計画的避難区域で被曝量が高い傾向があるという記事。
  
  
  
  
わたしの結果が送られてくるのはいつになるのでしょうか・・・?
  
  
  

  
<当ブログ内の関連サイト>
  
  
    
  
  
 
  
 
 
 
 

【写真】原発事故後に配布された安定ヨウ素剤(ヨウ化カリウム丸) [福島原発事故関連]

東日本大震災 放射線 事故 被曝 被爆 こども 甲状腺がん チェルノブイリ 牛乳

原発事故後に放射性ヨウ素が拡散し、自宅のある地域でも放射線量の数値が一気に高くなりました。

事故から一週間後の3月18日になって、子供の甲状腺に蓄積するのを防ぐため,安定ヨウ素剤が自治会を通じて配布されました。

 

 03potassiumIodide.jpg

左は大人用、真ん中は子供用、右のアンプルは幼児用。

安定ヨウ素剤の写真 

高い濃度の放射性物質にさらされた場合、甲状腺への影響をやらわげることができるとされている「安定ヨウ素剤」を配布いたします。 

 

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薬と一緒に配布された使用法説明書。

  放射性ヨウ素の被曝による甲状腺の障害は、甲状腺の機能が活発な若年者、特に甲状腺の形成過程である乳幼児においてに顕著であり、40歳以上では有意ではないため、安定ヨウ素剤の投与は40歳未満の者に対してのみ行われる。

  

もう二度とこの薬を飲むような事態にならないよう祈っています。。。

 

 


 

 

 <参考サイト>

 

 ・ 安定ヨウ素剤(Wikipedia) 

 ・ 安定ヨウ素剤「服用対象は40歳未満」 福島県いわき市15万人に配布

 質問 なぜ、安定ヨウ素剤を服用するのでしょうか?

安定ヨウ素剤を予防的に服用することにより、放射性ヨウ素が甲状腺に集まるのを防ぐ効果があり、その結果甲状腺の機能を守ることができます。


 

<関連記事>

 

 ・ 【実録】自宅の除染作業の記録(福島県浜通り地方)

 

 ・ 【レビュー】エアカウンターS(エステー)の放射線量感度チェック(線量計)  

 

 ・ 【放射線量グラフ】福島県各地の原発事故直後の放射線量をグラフ化[福島県HPより]

質問 安定ヨウ素剤を服用すれば、セシウム等の放射性物質にも効果があるのでしょうか?

安定ヨウ素剤は、放射線に対する万能薬ではありません。安定ヨウ素剤は、原子力災害で生じた放射性物質のうち、放射性ヨウ素に対する予防策です。他の放射性物質については、効果がありません。


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