MacBookAirはなぜWindowsのノートパソコンより高速なのか?高速のSSD採用でデータの読み書き速度を高速化しているため。さらに高速なCPUの採用も高速化に貢献。
無線LAN親機を電波が強力なタイプに交換したこともあり、1階・2階を問わず、家のリビングや寝室でサッとパソコンの画面を開いてWEBのチェックやブログの記事の書き込みができるようになり、気軽にパソコンを使う生活スタイルに変わりました
以前なら、パソコンの立ち上げに何分もかかるので、こういった作業はまとまった時間を作ってから行っていたものです。。。
MacBook Airだとスリープ状態でも電源消費量が少ないので、通常はスリープ状態にしておき、使いたいときにキーを押せば2秒で復帰します。(スリープ状態で放置しても最大30日間OKだそうです。)
おかげで、すき間時間を見つけてチョコチョコと作業するようになりました。
MacBook Airを購入したときは、ネットの記事を見て「パソコンの起動や作業時の動作が速いらしい」という印象を持っていた程度で、あまり深く調べていませんでした。
購入後に「なぜこんなに速いんだろう?」と疑問を持つようになり、改めて調べてみると、パソコン動作を速くするためにいくつも工夫を施していることが分かってきました。
先に紹介した「スリープ状態からの高速起動」については、「
インスタントオン」というシステムを採用して高速化を図っています。
◎動画編集作業&エンコード処理もかなり高速
デジカメで撮影したMOV形式の動画をMacBook Airに標準で入っている「
iMovie」を使って編集しています。
ここで作業をしながら感じるのが、負荷の大きな作業でも動作にぎこちなさを感じさせない懐の深さとエンコード処理の速さ。
手持ちのWindowsPCでは動画の編集やエンコード処理を行なっていると負荷が大きいために一瞬パソコンがフリーズしたような状態になります。過負荷によるフリーズを避けるため、他のアプリケーションを使った作業は一時中断に。。。
一方、MacBook Airではこのような過酷な作業負荷を余裕でこなしていて、動画のエンコード処理中でもバックグラウンドでWEBの閲覧をしたりPhotoshopで写真の加工がスイスイできるところがすごい!
ネット上のレビューでは、CPUにCore2 Duoを使った前モデルに対して「MacBook Airで動画処理に対して能力がいまひとつ」 というコメントをみかけますが、2011年7月に発売された新型に関しては、CPUにCore i5を使用していることもあり、大幅に処理能力が強化されており、ちょっとした動画ファイルのエンコード処理であれば問題ないレベルの能力を持っていると感じます。
MacBook Airの高速化に寄与しているのが、以下の2点。
1.CPUの進化(Core 2 Duo → Core i5 へアップデート)
2.SSDの採用(ハードディスクの読み書き速度の高速化)
SSDとは「Solid State Drive」の略で、数枚のフラッシュメモリを基板に配置した記憶媒体を指します。SATA、IDEなどハードディスクと同じインターフェイスを持ち、従来のディスク式のハードディスクと同じように使うことができます。
そこで、MacBook Airに使われているSSDについて調べてみました。
Sandy Bridge 第二世代のIntel Core i7/i5/i3シリーズ 32nmプロセス製造のインテルCPU GPUコアを大幅に強化 動画のハードウェアデコードやハードウェアエンコード処理速度をアップ
◎MacBook Air内蔵SSDの読み書き速度 アクセス速度 測定 Mac Window PC
ハードディスクの読み書き速度を測定するソフトで、MacBook Air内蔵のハードディスク(SSD)の読み書き速度と手持ちのWindowsのデスクパソコン(2009年購入)のハードディスクの読み書き速度を比較してみました。
1.WindowsのデスクトップパソコンのHDD読み書き速度
手持ちのデルのデスクトップPC(2009年購入)のハードディスク(500GB SATA HDD 7200rpm)のデータ。
ディスクの読み書き速度を測定するフリーソフト「
CrystalDiskMark」を使って測定。単位はMB/s(=MB/秒)。60MB/sなら一秒間に60MB のデータを処理していることになります。
結果のうち、「Seq」は、ファイルのコピーなど比較的大きなサイズのファイルの読み書き作業などでのパフォーマンスの数値。「512K」は512Kbytes単位でのランダム読み書きの速度の値で、一般的なファイル入出力などでの動作を想定した速度と考えていいようです。
<WindowsPCの結果>
書き込み:60MB/s(Seqモード)、35MB/s(512Kモード)
読み込み:62MB/s(Seqモード)、26MB/s(512Kモード)
さて、いよいよMacBook Air の測定へ。
Macにも「
Blackmagic Disk Speed Test」というハードディスクへのアクセス速度測定用のフリーソフトがありますので、これを使ってSSDの読み書き速度を測定しました。さらに、MacBook AirにUSBで接続したポータブルHDD(ディスク式)の速度も測ってみました。
2.MacBook Air 内蔵SSD(mid 2011 13インチモデル)の結果
MacBook Air はハードディスクにディスク式ではなく半導体メモリ式のSSDを採用し、データの読み書き速度を高めることでOS・アプリケーションの起動やファイルの読み込み・書き出し速度を高めている点が特徴。
実際に使ってみると、その速度の速さに圧倒され、これまで使っていたWindowsパソコンがと〜っても遅く感じられるようになってしまいました。。。
MacBook AirのSSDのスピードの測定結果
SSDは、書き込み(Write)が208MB/s、読み込み(Read)が183MB/s。
<WindowsPCとMacBook Airの読み書き速度の比較>
・WindowsPC(HDD)
書き込み:60MB/s(Seqモード)、35MB/s(512Kモード)
読み込み:62MB/s(Seqモード)、26MB/s(512Kモード)
・MacBook Air(SSD)
書き込み:183MB/s
読み込み:208MB/s
ここに出ている数字を比較すると、CrystalDiskMarkのSeq(シークエンス)モードの数値とBlackmagic Disk Speed Testの数値が同じレベルであることが分かります。
よって、ディスク式の3.5インチHDDを使っているWindowsのPCの結果と比べると、MacBook AirのSSDのアクセス速度は3倍以上ということに。
これはかなり速いですね〜
3.ポータブルHDD(USB経由)の結果
比較として、MacBook AirにUSB経由で接続したポータブルHDD(500GB)のアクセス速度を測定してみました。
USBポート経由で外付けのハードディスクを接続し、アクセス速度を測定。
書き込み(Write)が24MB/s、読み込み(Read)が33MB/s。
こちらはそれほど速くないですね〜
◎MacBook Air のSSDにはサムスン製と東芝製が混在?
どちらのタイプのSSDが採用されているか調べるには、 左上のリンゴマーク>このMacについて > 詳しい情報> システムレポート>シリアルATA を参照します。
より高速なのはサムスン製(SM128C)で、それより遅いのは東芝製(TS128C)とのこと。
速度の測定結果から推定すると、手持ちのMacBook Airに入っているSSDは、残念ながらサムスンよりアクセス速度の劣る「東芝製」の様子。
ちなみにこのMacBook Airは2011年7月に発売された最新のタイプ(13インチ、HDDが128GBのモデル)です。
確認のためにシステムレポートを調べると、その通りでした。
Apple SSD「
TS128C」の表記なので、東芝製で確定
アクセス速度が若干サムスン製より遅いのはちょっと残念ですが、速度の差はあまり気にしていません。日本製ならば、我が国の経済活性化にちょっと貢献しているわけですし。
なお、本気でSSDのアクセス速度を高めたいのであれば、SSDを入れ替えるという技もあるようです。
↓
<関連サイト>
MacBook Airはなぜ処理が高速なのか?検証記事のリンク集
◎MacBook Air(2011年7月発売)のレビュー記事
→2011 midのMacBook Air検証記事
→前モデルと比較して、性能が最大約2.5倍向上したという点を検証
→“Windowsモード”での動作速度検証記事
◎SSD関連
→MacBook Airに搭載されているSSDを製造している東芝のサイト。HDDとSSDの違いを動画でわかりやすく解説。
→東芝のSSDは「とにかく丈夫であること」が特徴とのこと。
そのために、書き換え回数を制限する制御技術を開発するとともに、書き込み、読み込みを効率化することで消費電力のさらなる低減を図っています。
このサイトを読むと、自分のMacBook Airに搭載されている東芝製SSDに愛着が湧くこと請け合い!
SSDは制御チップ次第でかなり速度が変わるようです。
Toshiba TH58NVG7D7FBASB 16GB NANDフラッシュメモリ×4
Samsung K9PFGD8U7M HCKD 32GB NANDフラッシュメモリ×4 サムスン製
◎MacBook Airに搭載されているSSDの写真
SSDを換装して容量を増やしたり速度を高めたりする手もあります。
<追記>
・Windowsの「Ultrabook」 v.s. MacBook Air
〜 スリープ機能と起動時間を比較 〜
MacBook Airでは、最大30日間のスリープ待機時間を実現し、さらにスリープからの復帰も瞬間(2秒ぐらい)とストレスを感じさせないスピードになっています。
一方、Windows陣営でもMacBook Airを意識した「
Ultrabook」カテゴリーのパソコンで「Instant On」機能によるスリープ状態からの復帰の速さやスリープモードでの待機時間の長さを売りにしているようです。
例えば、アスーステック・コンピューターから2011年秋に発売された「
ASUS UX31E-RY128」では、Instant On機能によるスリープからの復帰は約2秒、シャットダウン状態からの起動は出荷時の状態で約18秒となっています。(日経パソコン 2011年11月28日号 P.20)
これに対して、自分が使っているMacBook Airでは、スリープからの復帰は約2秒、スリープモードの待機時間は30日間。スリープからの復帰はZENBOOKと同レベル、スリープ待機時間はMacBook Airが倍となっています。
シャットダウンからの起動は、自分の使っているMacBook Airではログイン画面まで15秒、ログオン後は3秒だったので、トータル18秒。これもZENBOOKと同レベルですね。
ZENBOOK UX31Eのスペックは、CPUがCorei7-2677M(1.8GHz)、メモリー4GB、SSD128GB、ディスプレーは13.3型液晶。
価格やデザインもMacBook Airと同じ程度に仕上げているので、まさにWindows版のMacBook Airといえますね。あえて違いを指摘すると、WindowsのパソコンではMac OS Xを動かせないことぐらいでしょうか・・・
アンドロイド、ギャラクシーのようなタブレットからノートパソコンへの回帰がウルトラブックを提唱するインテルの狙い。背景にはiPadからMacBook Airへ乗り換えるユーザーが少なくない、という事実がある。
MacBook Airの関連記事 リチウムイオン二次電池 液晶 SSD ハードディスク SDカード USB
<当ブログ内 関連サイト>
◎ Macbook Air - 電池関連 -
・ 【検証】MacBookAirの電池を長持ちさせる方法は? ~リチウムイオンバッテリー長寿命化のノウハウ~
・ 【経過報告】MacBook Air:一ヶ月半使用後のバッテリー劣化状況を調べてみると・・・
◎ MacBook Air - その他 -
・ 【実録】少ない投資でWindowsのソフトをMac上で動かしたい!〜「CrossOver Mac10」は便利!
・ 【レビュー】Mac Book Air 13inchモデル(mid 2011)を買いました&おすすめの解説本
13インチモデルはSDカードスロットとUSBポート☓2が側面についています。
<Amazon>
・・・
マックブックエアー MacBook Air 人気のマックパソコン Macbook Airは2012年6月に新型モデルが登場したため、2011年7月発売モデル(mid2011)は大幅に値下がりしています。
◎ Mac Book Airi MD223J/A MD224J/A MD231J/A MD232J/A
<2012年6月発売モデル>
・11インチモデル
・・・・・・
・13インチモデル
・・・・・・ 購入
<2011年7月発売モデル>
・11インチモデル
・・・・・・Macbook Airは2011年7月に発売されたモデルから1年を経過しない2012年6月に新たなモデルが登場。全体のデザインや液晶、キーボード、SSD容量の仕様は変わらず、CPU、ビデオカードの能力増強、USB3.0採用といった点が新たに増強されたポイント。13インチのmacbookAirの方が電池容量が大きいのでバッテリー駆動時間が長くなっています。
・13インチモデル
・・・・・・
マックブックエアの保護シート、フィルム、ケース、バック、マジックマウスなど
・Windows(Ultrabook)
【関連】Dynabook R631 開発者インタビュー
MacBook Air使用部品
・CPU Intel Core 2 Duo(1.4GHz、1.86GHz)
・グラフィック・プロセッサ NVIDIA GeForce 320M , Intel GMA X3100
・SSD DRAM OPA17 D9HSJ(Micron)
SSD用コントローラIC T6UG1XBG(Toshiba)NANDフラッシュ・メモリ
TH58NVG7D7FBASB×4(東芝)・無線モジュール 11n/a/b/g,MAC/ベースバンドLSI
BCM43224(Broadcom)
・バッテリー ATL LitiumPolymer Battery(Ampex Technology Ltd.)
・重量 初代機1360g、二代目1320g(13インチ)、1060g(11インチ)
熱設計電力(Thermal design power:TDP)
初代機の約20Wから約10Wへと約半分に低減。
グラファイト製の放熱シートをボディに張り付けて熱を拡散
ファンに接続するヒートパイプを採用